銀行員モリゾーのマネーブログ

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【住宅ローンの考え方】住宅ローンを借りる際の自己資金はいったいどれくらい準備するべきなのか?銀行員としての意見もご紹介させていただきます!

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おはようございます。
モリゾーです。
 
私は銀行員として、住宅ローンの案内や投資信託や保険の営業を行っています。
 
ローン相談の時によくあるのが「頭金がないんですけど、全額ローンを組むことは出来ますか?」「今はすごく金利が低いので全部借入しようと思っているんですけど、どう思いますか?」といった質問です。住宅ローンを借りるときは個々人の状況(年齢、家族構成、収入、金融資産etc)によって、適切な借入額や借入年数などは変わってきます。ですので、これが正解です!といった主張は極端かなって思います。ですが、この内容や状況で借入するのはまずいんじゃ??という場合もあります。
 
ですので、本日は幻冬舎GOLD ONLINEさんで見つけた住宅ローンの組み方をアドバイスしている記事を紹介しながら、私自身の意見や感想もお伝えしていこうと思います。

 

gentosha-go.com

 
こちらの記事では住宅ローンを組む際の頭金についての考え方を以下3点説明しています。
ちなみに本記事のタイトルは少しミスリードな気がしましたね(笑)。
 
①頭金なしで買っても良いか?
②頭金はいくら必要か?
③貯金全部を頭金にするのは良いのか? 
 
では順番に見てみましょう。
 

①頭金なしで買っても良いか?

 
 
マイホーム購入時の必要資金を全て借入することについての是非について説明されています。
 
全額ローンで準備できれば、手元にある預貯金を別のことに活用することができます。それに頭金を用意できない方にとっても、夢のマイホームを購入することが可能となるので、とても魅力的です。
 
ですが、記事内では全額ローンには否定的です。
 
どのような理由でオススメできないかというと、
 
○ローン審査が厳しくなるため
○借入金額が多くなるため、毎月の返済金額や総支払額が増すため
 
以上のような理由ですね。
 
当たり前の話ですが、「頭金なしで買える」=「頭金なしで買っても大丈夫」ということにはなりません。もし仮にマイホーム購入時に手元の預貯金が全く無く、そんな状況で買おうとするのは自分の首を思い切り絞めることになります。せめて物件取得時の諸費用分程度は自分で出すことが重要です。また、毎月の返済額は「返済額+ランニングコスト」が現在の家賃よりも低い金額になるよう設定すべきだとも述べられています。
 
※諸費用:保証料(銀行手数料)、仲介手数料、登記費用、火災保険料etc 相場では物件価格の5〜10%位が多いです。
ランニングコスト:固定資産税、都市計画税(場所によりますが)、修繕費用etc 戸建orマンションでも違いはあります。
 
【重要なポイント】
 
ポイント1 諸費用も含めた全額ローンを借入できる金融機関は多いが、オススメしない
ポイント2 貯金ができないという理由で頭金が出せないのなら、「返済額+ランニングコスト」<現在の家賃に抑える
ポイント3 マイホーム購入には諸費用がかかるため、少しでも貯金をして自己資金を貯めておく
 
 

②頭金はいくら必要か?

 
 
①で頭金なしの全額ローンはオススメできないことを説明しました。
 
では実際にどのくらい頭金を出すべきでしょうか?もちろん、多く出せるに越したことはありません。ただ、現実的にはマイホーム購入でゴールではなく、そこから先にも日々の生活や将来のライフイベントに備えて、現金をもっておく必要があります。
 
そこで本記事では以下の考え方が大切と説明されています。
 
【重要なポイント】
 
ポイント1 頭金は物件価格の20%以上が望ましい
ポイント2 手付金で物件価格の10%必要とする場合があるため、早い段階でこれ以上の資金は準備しておくべき
ポイント3 物件契約〜引渡しまで相応の期間があるため、その間にもしっかり貯金をすべき
 
 

③貯金全部を頭金にするのは良いのか?

 
 
最後は貯金はある程度あるがローン負担を減らすことを最優先にし、貯金を全額出そうとしている人に適切な自己資金額を説明しています。
 
借入額を減らすほど、返済額の負担や利息を含めた総支払額は抑えることが可能です。なので、基本的には多く出すべきではあります。ですが、出しすぎたが故に貯金が0円になってしまうのはマズいです。そこで基本的な考え方として、生活費6ヶ月程度、2〜3年以内に使う予定のある資金は手元に残しておくべきでしょう。また、突発的な支出(医療費、会社業績悪化に伴う給与削減に備える補填費etc)への備えも大切です。
 
これらをまとめると
 
【重要なポイント】
 
ポイント1 マイホーム購入後の万が一に備えて、必要な金額は貯金で残しておこう
ポイント2 残すべき目安は最低3ヶ月、理想は生活費6ヶ月程度
ポイント3 近い将来に使う予定のある金額、かつそれらを出費の時期までの貯金では困難場合も
 
 

まとめ

 
 
ここまで記事の紹介をさせていただきました。
 
ここからは少し銀行員として住宅ローンに携わっている目線で意見や感想をお伝えできればと思います。
 
基本的には本記事で紹介されている内容には賛成です。やはりある程度の頭金を用意することができない状態でマイホーム購入は危険です。計画性のない借入をした時点で支出>収入という最悪の事態になりかねませんからね。
 
夢のマイホーム購入が家計悪化につながってしまうなんて避けたいですよね。なので、ある程度の自己資金は用意しましょう。今回紹介した記事では物件価格の20%程度が望ましいとありましたが、個人的には10%程度で充分じゃないかなと思います。というよりかは20%は相当キツいと思います(笑)。なぜかと言うと、マイホーム購入を検討されるボリュームゾーンである30代の世帯平均貯金額の中央値がおよそ400万程度だからです。仮に3,000万円の物件を購入しようとすると、20%つまり600万円の頭金が必要となります。そもそも足りていないし、むりくり集めても、その後の生活に必要なお金が無くなってしまいますからね。ですからまずは自分が買いたいと思う物件の10%程度を目指しましょう。
 
それと大前提ですが、無理なく返済できる範囲の金額で借入を検討してください!
 
不動産購入の際には「一生に一度の買い物で後悔したくないですよね?😎」「ボーナス払いを活用すれば、○○円まで借入できます😎」など、悪魔のセールストークが横行しています。また、日本の不動産は購入後、資産価値が減少することが傾向として多いです。新築購入直後はより顕著で、購入後すぐに10〜20%下落する場合もよくあります。そうなると、多額の借入をした場合に借入額>物件価値といったような債務超過の状況になってしまいます。
 
こういったお金に関することって自分だけだと分からないし、かつ勉強も大変ですよね。なので言われた通りにという方がとても多いですが、一生に一度の買い物だからこそ、自分たちで情報収集をしっかり行って、納得の上でローンを活用し、購入すべきだと思います。
 
私的に銀行員の立場ではこれら悪魔の手から救う術がとても限られていることです。審査の上で必要な情報提供(例:今の借入金額や自己資金額では審査承認出しづらいため、計画変更できないか?etc)はできますが、根本的な注意喚起や啓蒙活動はむずかしく、すごく歯痒いです。。。
 
今回の記事は住宅ローンの特に頭金について詳しく説明されている良記事だと思いました。
 
先ほども言いましたが、銀行員では立場上、本当に安心できる住宅ローンの組み方や考え方をお客さまに説明することがどうしても難しいため、せめてもの活動としてブログに簡単にですが有益と思える情報や私の考えを書かせていただきました。
 
これからも良いなと思えることは共有していこうと思いますのでぜひよろしくお願いします。
 
本日も本ブログをお読みいただきありがとうございました!